1. 「一緒に遊ぶおもちゃ」でコミュニケーションを深める
飼い主さんと一緒に遊ぶおもちゃには、引っ張りっこができるロープ、レトリーブ(投げて取ってこい)ができるボールやフリスビー、くわえたり振り回したりするぬいぐるみなどがあります。
犬は飼い主さんとコミュニケーションを取ることが大好きですから、ひとり遊びよりも一緒に遊ぶことを好みます。一緒に遊ぶおもちゃは狩猟本能だけでなく、飼い主さんと何かがしたいという欲求を満たすこともできます。
愛犬にどんなおもちゃを与えていますか?
おもちゃの種類がたくさんあって、何を選んだらいいのかわからない、
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犬におもちゃを与える目的や、愛犬が本当に喜ぶおもちゃの選び方・活用方法についてプロが解説します。
「おもちゃ」といえば「遊び道具」ですが、それでは犬にとって「遊び」とは何でしょうか?犬がおもちゃで遊んでいる様子を見ていると、追いかけたり口にくわえて引っ張ったり、振り回したりしています。犬はもともと狩りをしていた動物で、動く獲物をすばやく追いかけて食らいつき、口にくわえて振り回して引きちぎり食べていました。つまり、おもちゃで遊ぶことは狩りの疑似体験のようなもの。ペットとして暮らしている犬たちは今では狩りをする機会はないけれど、その本能は失っていません。遊びによって、狩りをしたい犬の欲求を満たしてあげることはおもちゃを与える大きな目的のひとつです。
犬のおもちゃの種類には大きく分けて、飼い主さんと「一緒に遊ぶ用」と、犬が単独で遊ぶ「ひとり遊び用」があり、それぞれ目的や役割が異なります。
飼い主さんと一緒に遊ぶおもちゃには、引っ張りっこができるロープ、レトリーブ(投げて取ってこい)ができるボールやフリスビー、くわえたり振り回したりするぬいぐるみなどがあります。
犬は飼い主さんとコミュニケーションを取ることが大好きですから、ひとり遊びよりも一緒に遊ぶことを好みます。一緒に遊ぶおもちゃは狩猟本能だけでなく、飼い主さんと何かがしたいという欲求を満たすこともできます。
ひとり遊び用のおもちゃは、頭や嗅覚を使って遊ぶものが多く、「知育玩具」とも呼ばれています。おやつやフードなどの食べ物が中に入れられるおもちゃが多くあります。
犬は食べることも大好きですから食べ物を取り出そうと夢中になるため、留守番をさせるときや飼い主の手が離せないとき、外出先でおとなしくさせたいときなどに活用できます。
一緒に遊ぶものもひとり遊び用も、犬のおもちゃには口にくわえて舐めたり噛んだりするものがたくさんあります。ものを噛むことには歯の表面に付いた歯垢を落としたり、唾液をたくさん出して口の中の汚れを洗い流したりする効果があるので、噛むおもちゃをうまく活用すれば、楽しく遊びながらオーラルケアもできます。最近ではオーラルケアに特化した「歯みがきおもちゃ」なども登場しています。
また、高齢犬ではよく噛ませることが脳の健康維持にもつながるといわれています。
犬用のおもちゃは、目的、月齢(年齢)や体重・体格に見合ったものを選びましょう。これは犬が楽しむためにも、おもちゃの誤飲を防ぐ安全性の面からも重要です!
ひとり遊びをさせたいときにぬいぐるみやロープを「これで遊んでいて」と犬の前に差し出しても、動かなければ興味を示しませんし、退屈しのぎにボロボロに破壊して誤食してしまう可能性もあります。ひとり遊び用のおもちゃは食べ物などを詰めて犬の関心を引きつけられるよう仕掛けがしてありますし、飼い主の目が届かなくても安全に使えるよう、ある程度の強度が保たれています。
また、オーラルケアにも活用したい場合にはしっかりと噛みやすい形状のものを選ぶことが重要です。
このように、目的や場面に合わせて使い分けができるように、いくつか用意しておきたいものです。
おもちゃが大きすぎれば口にくわえられないし、小さすぎれば誤飲の危険もあります。
ロープなら太さが重要で、太すぎたり細すぎたりしてしっかりと噛むことができなければ犬も楽しくありません。子犬のうちはロープの長さもポイント。
犬はもともと近距離のピントが合わせづらいといわれているうえ、子犬では噛んでよいものと悪いものの区別がまだついていないので、短いロープだと人の手も噛んでしまうことも。そのため、子犬には持ち手と噛む場所がしっかり区別できる長めのロープを使用することで甘噛みの予防にもつながります。
また、口にくわえるボールは取られまいと警戒していつまでも口から離そうとしないこともあるので、「ちょうだい(離せ)」の合図が身についていないうちは、紐付きのボールがおすすめです。
口にくわえたときにしっかりと歯に食い込んで振り回すことができる硬さや噛み心地もポイントです。硬すぎると歯が欠けたり折れたりすることもありますし、やわらかすぎると食いちぎって破壊したり、誤飲のもとになります。
おもちゃの硬さは犬の成長に合わせて変えていくことも重要で、子犬の頃は噛む力が弱いのでやわらかめのものを選び、噛む力が強くなったら噛みごたえのあるものに変え、高齢になったら噛む力が弱まるので、またやわらかいものに戻してあげるとよいでしょう。
おもちゃをたくさん持っていてもすぐに飽きてしまう、あまり遊んでくれないというときは、遊ばせ方をいろいろ工夫してみてください。
子犬のころの嗜好性はおもちゃにも強く出るとされているため、子犬のうちはいろいろなおもちゃを試してみるとよいでしょう。次から次へといろいろ出てくるほうが犬のテンションが上がりますし、そうしたなかでうちのコのお気に入りや好みがだんだんわかってきます。また、犬は習慣化したものに対してはモチベーションが高いので、遊ぶ時間をコンスタントにつくってしっかりと習慣にしておくことはおもちゃ選びと同じくらい大切です。
一緒に遊ぶおもちゃは使い終わったら片づけましょう。好きなときにいつでも遊べるように、犬が取り出せる場所におもちゃを置いている飼い主さんは多いようですが、それではおもちゃへの興味は下がりますし、犬が自由に遊んで破壊して誤飲につながることもあるので、普段は犬の手の届かないところに保管しておきます。
犬にとっては「一緒に遊ぶ」ということ自体が大きな楽しみですから、飼い主がおもちゃを出して誘うことで「おもちゃ&飼い主と遊ぶこと」がセットになり、楽しい習慣になっていきます。
ひとり遊びに慣れてきたら、中に詰めたおやつが簡単には取れないように入れ方を工夫してみてください。「なかなか食べられないのはかわいそう」と感じるかもしれませんが、簡単に食べることができるより、自分で工夫をしながら時間を掛けて少しずつ食べたほうが犬にとっても喜びは大きいものです。ぜひ試してみてください。
このように、おもちゃは犬の欲求を満たし、飼い主との絆を深めるためにも大切なアイテムです。「一緒に遊ぶ用」「ひとり遊び用」をうまく取り入れながら、犬との暮らしをさらに楽しく充実させましょう。