ムリなく上達!犬の歯みがき方法
歯周病を予防するためには、歯周病菌の温床となる歯垢を除去することが大切です。
これからはじめる方も、なかなか上手くいかない方も、
愛犬の状態にあわせて焦らずゆっくり進めるのが歯みがき成功のコツです。
犬の歯の基礎知識
犬の歯の数は42本
犬の永久歯の数は、猫やヒトよりも多く42本です。鋭くとがっていて、獲物の肉を切り裂いて食べるのに適した形をしています。
犬 | 猫 | 人 |
---|---|---|
42本 | 30本 | 32本 |

歯石がつきやすいのは上奥歯!
犬の上あごの第4前臼歯と下あごの第1後臼歯は、「機能歯(裂肉歯)」とも呼ばれ、食べ物を噛み切るために大きく発達していることが特徴です。
この機能歯は上下の歯がハサミのように咬み合わさり、食べ物を分断することができます。
上あごの奥にある第4前臼歯の近くには唾液腺があり、唾液中のカルシウムが沈着して歯石がつきやすい場所なので、この部分をしっかりケアすることが重要です。

犬の歯みがき、どうやるの?
歯みがきは焦らず、ステップを踏んで徐々に慣らしていきましょう。人間と同じように、歯のケアを毎日の習慣にすることが、お口の健康維持につながります。
STEP 01
リラックスしているときや遊び疲れたとき、眠そうなときがチャレンジしやすいタイミング!
- はじめは、両手でやさしく顔や口周りを触ります。
- 慣れてきたら、唇をめくり、歯や歯茎にタッチしてみましょう。
- 抵抗感がなくなってきたら、歯茎に沿って奥歯の方へ指を差し入れてみましょう。
おやつのごほうびをあげたり、「いい子だね~」などやさしく声かけをしながらやってみましょう!
愛犬が好む歯みがき用ジェル(ペースト)を指につけてなめさせながら行うのがおすすめです。
STEP 02
指に巻き付けるタイプのシートは、しっかりと巻き付けると違和感なく指みがきをさせてくれます。
- シートを巻き付けた指で、歯や歯茎にタッチします。
嫌がる場合は、「歯にちょっと触ったら指を離して、ごほうびをあげる」を繰り返し、ゆっくり慣れさせましょう。
シートに歯みがき用のジェルやペーストをつけるとスムーズにできることも!
- 慣れてきたら、やさしく前歯や犬歯からこすりましょう。
慣れないうちは口は閉じた状態でみがいてあげるのがポイントです。
- 慣れてきたら、指を奥歯に滑り込ませるようにして、奥歯までみがいていきましょう。
歯並びの凹凸に合わせて、1本ずつ指先で歯のくぼみを意識してみがくと、汚れがキレイに落とせます。
- なかなかできないときは・・・
-
シートを巻いた手におやつを持って、チラッと見せて「マテ」をさせます。
やさしく声をかけながら歯をみがき、上手にできたら手の中のおやつをあげましょう。

STEP 03
シートでのこすりみがきに慣れたら、いよいよ歯ブラシにチャレンジ!歯と歯茎の間の歯周ポケットに毛先を入れるようにして、中の汚れをかき出すように動かすのがコツです!
歯ブラシでの歯みがきに進む前に、奥歯みがきに慣れさせておきましょう。
- はじめは、指にはめるタイプの歯ブラシが挑戦しやすいかもしれません。
- 歯ブラシは、鉛筆を持つのと同じ「ペングリップ」で持つのがおすすめです。
- 歯ブラシの毛先が軽くしなるくらいの軽い力でみがきましょう。
毛先を歯と歯茎の境目に当て、歯に対して45度の角度で境目の歯垢を取るつもりでブラッシングしましょう。左右に揺らすようにして1本1本みがくと、歯周ポケットの歯垢も効率よく落とせます。
出典:藤田桂一(フジタ動物病院院長). デンタル・ケア. インフォベッツ 2013, No.164

犬の集中力は長く続かないので、1回ですべてみがききろうとせず、何回かに分けてみがいても構いません。
愛犬の歯みがきケアがうまくいく3つの約束
- 1無理に押さえつけてやらない
- 2やさしく声をかけながら行う
- 3ごほうびをうまく使う