災害時の避難、そのとき愛犬・愛猫はどうする?

地震や台風など、いつどのような形で起こるかわからない災害ですが、 日頃から具体的にシミュレーションしておくことで いざというとき、落ち着いて行動できるものです。 ご自身はもちろん、愛犬・愛猫を守るためにもできる限りの備えをしておきましょう。

自宅は安全?災害リスクと住まいの防災対策をチェック

ハザードマップで自宅の災害リスクをチェック

自宅の災害リスクは、国土交通省のハザードマップポータルサイトで確認することができます。洪水のリスクが高いのか、土砂災害のリスクが高いのかなど災害の種類によって、注意することや準備するものも違ってきます。
自宅周辺の災害リスクを把握し、ご家庭に合った備えをしておきましょう。

ハザードマップリンク
https://disaportal.gsi.go.jp/

出典:台東区神田川水害ハザードマップ

住まいや飼育場所の防災対策

人より家に居る時間が長いペットを守るためにも、自宅の防災対策は大切です。
本棚や食器棚などの家具、テレビや冷蔵庫などの大型家電は、地震の揺れで転倒しないよう、固定をしておきましょう。また、棚に収納されている本や食器が落下しないよう、ロックや落下防止テープなどで対策をしておくと、さらに安心です。クレートやソファーの下など、ペットが逃げ込めるスペースを作っておくこともおすすめします。

脱走防止のために、窓ガラスは揺れで勝手に開かないようロックをしておくことも重要です。また、飼い主さんが外出中に災害が起きることもありますので、水の用意や見守りカメラの設置があると、より安心です。

家具の転倒・落下は、怪我の原因に。様々な固定器具や落下防止材があるので、家具や家電に合わせて設置してみましょう。

避難所の確認

避難所について確認し、家族と共有しておくことも大切です。
避難訓練をして、避難所までのルートや所要時間、危険な場所と迂回路等チェックしておくことで、より安全に避難することができます。

また、避難所がペットを受け入れているのか、受け入れている場合はペットと飼い主が一緒に過ごすことができるのか、住んでいる地域のペットの防災情報も確認しておきましょう。

指定緊急避難場所、指定避難所、避難ルート、ペットを連れていく際の注意事項を事前に確認しておきましょう。

動物避難所や災害時の避難の備えを確認できるサイトもチェック

うちトコ動物避難所マップ

家(うち)からトコトコ歩いて行ける近くの場所に、動物避難所が当たり前のようにある社会を目指して、全国の事業者と共に動物避難所をマッピングすることで、実際の災害時に機能する動物避難所を紹介しているサイトです。
動物避難所の情報だけでなく、人とペットの防災に関する情報を発信しています。

運営団体
  • NPO法人 全国動物避難所協会
  • NPO法人 人と動物の共生センター
https://uchitoko.jp/

自助と共助で、愛犬・愛猫の命を守ろう

災害対策の自助・共助・公助

災害に対する備えには「自助」・「共助」・「公助」の連携が不可欠と言われています。
ペットの保護対策は、住民同士の助け合いによる「共助」や行政による「公助」では限界があることを認識することが大切です。災害時の対応は、被災者自身が生き延びるための努力を行う「自助」が基本であるとされています。それは、犬猫を飼養する飼い主にとっても同じ。災害時の愛犬・愛猫の保護対策は、飼い主の「自助」を基本とします。自ら愛犬・愛猫を守ることへの飼い主の意識向上が、自身の災害への備えにつながり、個々の防災力が高まり、「愛犬・愛猫を守りたいから災害に強くなった」と言えるようになることが理想です。

  1. 自助自分で自身・家族の身の安全を守ること。
  2. 共助地域やコミュニティといった周囲の人たちが協力して助けあうこと。
  3. 公助市町村や消防、都道府県、警察、自衛隊といった公的機関による救助・援助のこと。

周囲との連携、一次預け先の確保

災害時だけでなく、飼い主さんの急病時や入院時にペットのお世話ができなくなる場合にも備えることも必要です。万一のときに助け合えるよう、ご近所や飼い主仲間と日頃からコミュニケーションをとり、防災について話し合っておきましょう。また、愛犬・愛猫を預かってもらえる知人や動物病院、ペットホテルなどの預け先を事前に確保しておくことも大切です。預け先への衛生面に配慮し、日ごろから愛犬・愛猫の体はシャンプーなどを使って清潔に保ちましょう。

避難する?しない?愛犬・愛猫はどうする?災害時の状況をシミュレーション

同行避難と同伴避難

過去の震災では、いったん避難した飼い主がペットを避難させるために自宅に戻り災害に巻き込まれてしまったり、やむを得ず同行避難できずに放置されたペットが繁殖・増加してしまったことなどから、避難する場合は、ペットも一緒に避難する「同行避難」が原則となっています。

「同行避難」とは、安全な避難所までペットと共に移動することで、ペットと飼い主が同じ空間で避難生活を送る「同伴避難」を意味するものではありません。

多くの避難所では、人とペットは別の場所で生活し、ペットのお世話は飼い主が行うことが原則です。普段以上に周囲に配慮し、避難所でのルールをきちんと守りましょう。

自宅の安全が確認でき十分な備蓄があれば、避難所に行かず「在宅避難」をすることも考えられます。ただし、情報や救援物資は避難所に集まるので必要に応じて取りに行くようにしましょう。

慣れない避難所で過ごし方に困らないためにも、ペットを連れて行く際の注意事項を確認しておきましょう。

環境省から公表されている「災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」を参考に、ペットを連れて行く際の注意事項を確認しておきましょう。

災害時の状況に応じた避難の考え方

自宅にいるのか・外出しているのか、ペットと一緒なのか・別々なのかなど、日常のどんな状況で災害が起こるかはわかりません。災害時に少しでも落ち着いて行動ができるよう、日頃からできるだけ色々な想定をしておきましょう。

出典:環境省「災害、あなたとペットは大丈夫?人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」

愛犬・愛猫のストレスを減らし、避難時のトラブルを防ぐために

健康管理をしっかりと

ワクチン接種や寄生虫予防、避妊・去勢手術も、愛犬・愛猫にとって大切な健康管理。日頃からきちんと健康管理をしておけば、避難所での受け入れもスムーズに。また、他の人やペットに迷惑をかけないよう、定期的にシャンプーやブラッシングを行いボディの清潔を保つなど、衛生面での配慮も必要です。

また、犬の場合、狂犬病予防接種済票を所持していないと、避難所で愛犬を受け入れてくれないケースもあります。鑑札と狂犬病予防注射済票の装着は平常時より行っておきましょう(装着は義務付けされています)。

基本的なしつけやトレーニング

同行避難する際や、避難所での生活はキャリーバッグやケージの中に入ることが想定されます。ケージの中でも落ち着いて過ごせるように、日頃から慣らしておくことが非常に大切です。

また、人や他のペットを怖がらない、むやみに吠えない、決められた場所で排泄できるなどのトレーニングもしておきましょう。
基本的なしつけやトレーニングをしておくことは、周囲の人への配慮はもちろん、愛犬・愛猫自身のストレスを軽減することにもつながります。

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