基本は「総合栄養食」のドライフードとお水だけでOK
キャットフードには、ドライフードとウェットフードがあります。ドライフード(通称カリカリ)のほとんどは「総合栄養食」なので、フードとお水だけで、猫ちゃんに必要な栄養素を摂取できます。
毎日の食事は猫ちゃんの大きな楽しみであり、また健康を左右する重要な要素でもあります。
食事の選び方や与え方、与えてはいけない食べ物などを学んで、猫ちゃんの健やかな食生活をサポートしましょう。
<監修>東京猫医療センター 院長 服部幸先生
北里大学獣医学部卒業。2年半の動物病院勤務。2005年より猫専門病院の院長を務める。2006年にアメリカのテキサス州にある猫専門病院 Alamo Feline Health Centerにて研修プログラム修了。2012年東京猫医療センターを開院する。2014年 JSFM(ねこ医学会)理事。15年間、猫の専門医療に携わる。主な著書に、『猫を極める本』(エデュワードプレス)、『もっと! ネコにウケる』(ワニブックス)、『猫専門医が教える こんな時どうする?』(洋泉社)など。
キャットフードの種類が多くて迷いますが、毎日の食事選びの基本は、栄養過不足にならないよう、「総合栄養食」で「ライフステージに合ったもの」を選ぶことです。
キャットフードには、ドライフードとウェットフードがあります。ドライフード(通称カリカリ)のほとんどは「総合栄養食」なので、フードとお水だけで、猫ちゃんに必要な栄養素を摂取できます。
子猫、成猫、高齢猫と、成長や加齢に応じて、必要なカロリーや栄養素は変わります。栄養不足や肥満予防のため、フードは猫ちゃんの年齢に合ったものを選びましょう。
猫缶などのウェットフードは嗜好性に優れ、猫ちゃんは大好きですが、「総合栄養食」ではなく「一般食」のものもあるため、これだけだと栄養に偏りが出たり、与えすぎると肥満の原因にも。
一般食のウェットフードの場合はドライフードにトッピングするなど、あくまで主食ではなくおかず扱いで。水分が多いので、あまりお水を飲まない猫ちゃんの水分補給になります。
猫ちゃんの喜ぶ顔が見たくて、ついおやつをあげたくなりますが、そんなときは、噛むことで猫ちゃんの歯の汚れ・歯垢がとれる「歯みがきおやつ」がおすすめ。猫ちゃんが喜び、お口のケアもできる一石二鳥なアイテムです。
猫ちゃんの場合、1日の給与量を守っていれば、食事回数にはこだわらなくても大丈夫。
ただし、泌尿器の病気にかかりやすいので、水分摂取がしっかりできる工夫をしましょう。
フードの給与量は、パッケージに記載された量を目安にしましょう。猫ちゃんの状態や体調を見ながら調節することも忘れずに。
1日の食事回数にはそれほどこだわらなくてもかまいません。一度に食べきる子もいれば、食べたいときに少しずつダラダラ食べをする子も。トータルで1日の摂取量を満たしていればOKです。
飲水量が少ないと、猫ちゃんは泌尿器の病気にかかりやすくなります。
など、飲ませる工夫をしましょう。
人が食べているものでも、猫には有害な食べ物がたくさんあります。
重い中毒症状を起こして命に関わることもあるので、絶対に猫ちゃんに与えないでください。
「猫草は、肉食の猫の野菜補給の手段で、飲み込んだ毛玉を吐くための必需品」・・そう思い込んでいる飼い主さんも多いようですが、本当にそうでしょうか?
「猫草」は猫のための「野菜サラダ」で、食べさせなければいけないと思っていませんか?
それは誤解です。肉食動物の猫は生の草は消化できないので、栄養になるどころか、そのままウンチに混ざって出てくるだけです。一般に、猫はグルーミングで飲み込んだ毛玉を吐き出すために猫草を食べるといいますが、毛玉は草を食べなくても吐きます。猫草は食べても食べなくてもかまいません。